「ふつうの人々の、ふだんの情報生活がより豊かで、美しく、創造的なものになること。」これが創業
以来の、わたしたちAZグループの願いです。

世界の先進国全体に貧富の二極分化が進む傾向のなかで、かつて総中流の国といわれた日本で
も「ふつうの人」の姿が見えにくくなっています。しかしこういう時代にこそ、「ふつう」の文化や情報伝
達の内実をより豊かにしていくための努力が、社会全体としてますます必要とされているのではない
でしょうか。

わたしたちは、人々がふだんの生活のなかでかかわる本や雑誌、カタログなどの制作、出版、また、
企業広報関連の情報コンテンツの制作を中心に活動してきました。多くは文字情報とビジュアル情
報を組み合わせた情報媒体です。また、情報をやりとりする際に直接手で触れるような、身に添う距
離感を持つ、実感的で親しい情報媒体です。「ふつう」ということにはそういうことも含まれています。

こうした活動をベースに、日々の情報生活をより豊かにすべく、美術、デザイン、文芸、音楽、映像な
どの文化を振興するための活動にもたずさわっています。

コミュニケーションは、メッセージの送り手から受け手への一方通行ではありません。受け手による
積極的で創造的な対応があってはじめて、コミュニケーションが成り立ちます。情報の送り手が伝え
たいと意図した内容ではなく、そこで受け手が理解した内容、受け手自身が心のなかに生みだし、腑
に落ち、体に同化した内容こそが「伝わったメッセージ」です。ふだんのおしゃべりでも、高度な芸術
でもこのことは同じです。伝わるべきことが確実に伝わる、情報の受け手側の積極的で創造的なか
かわりを喚起する、そういう実のある情報伝達をわたしたちは日々追求しています。

「ふつうの人」の生活文化が厚みを持ち、創造的なエネルギーに満ちているということは、有史以前
から続く日本列島の社会の根強い特徴です。以来現代に至るまで、そうした「ふつう」の文化のなか
でこそ、最も革新的な、世界全体に対しても大きな影響を与えるような創造が行われた、という例は
枚挙にいとまがありません。

そのような豊かで創造的な流れを現代に引継ぐべく、AZグループの各社はそれぞれの得意分野に
分かれ、それぞれの専門性を磨きつつ、有機的に連携して活動しています。これからもわたしたちは、
「ふつう」「ふだん」をさらに豊かにするために、ふつうではない突出した思考や技術を磨き、そして、情
報の送り手と受け手が共生する生態系としての、AZグループのさらなる進化発展をめざして行きます。

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